事業承継士は、これらの諸問題を総合的に解決することのできる唯一の資格です。「社長個人の相続」と「会社の事業承継」の両方の分野を融合させたものであり、単なる相続対策、節税対策にとどまらず、弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士といったそれぞれの専門家をコーディネートする立場にあり、個別最適ではなく全体最適を目指して支援することができます。
日本は戦後75年を経て、今まさに事業承継の大嵐の渦中にある。
このムーブメントは一過性ではなく、今後20年間以上にわたり全国で発生する。政府も「10年間の集中支援期間」を策定するほど、切迫した問題である。
事業承継は、主に現役の経営者自身が取り組むべきことが多い。しかし、既存の経営と並行して取り組むことは容易ではない。その時こそ事業承継士による支援が必要となるのだ。
このテキストで扱う、事業承継の支援に必要な知識体系の構築には、机上の理論よりも、現場で出会った肌感覚を重視してきた。その結果、学術的な価値よりも、使い勝手の良い実用的なノウハウ集という側面が強くなっている。
事業承継の失敗による社会的な損失を防ぎ、経営者一人一人のハッピーリタイアに向けて、さらに各種機関での事業承継に関する諸問題の解決に向けて、このテキストがヒントとなり、 トラブル回避の一助となることを強く望むものである。
事業承継の必要な準備期間は通常は約5年~10年といわれています。しかし、諸般の事情によりそんなに時間をかけられない。場合によっては「半年から3年ぐらいで終わらせたい。」などの要望にも(短期集中、伴走型支援により)対応を検討いたします。